社長インタビュー       

伊賀上野ケーブルテレビ(株)の社長、木津龍平さん

「市民に信頼されるコミュニティーサポーターを目指す!」

―創立のきっかけは何ですか?
A 地方自治体にケーブルテレビ局を興して、その地域の情報化の核にしていこうという、国のテレトピア構想がきっかけです。商工会議所内で検討を重ね、上野ガス(株)グループを核とする事業会社として、上野市民から出資者を募って、平成2年に創立されたのです。
―今までの苦労は?
A 創業以来、投資償却、諸経費の負担が重く、昨年度までの9年間赤字を続けてきましたが、上野市のケーブルテレビ市全域敷設政策と一昨年に開始したインターネット接続事業の好調、諸経費節減対策によって、本年度やっと黒字になるところまで来たところです。
―阿山郡にもエリアを拡大するそうですが?
A はい。島ヶ原村は平成13年度にケーブル工事に着工し、年度中には見られるようになります。阿山町、伊賀町は14年度の着工を目指しています。大山田村にもエリアを拡大したいと思っています。
―昨年の12月からBSデジタル放送が始まりましたが、何か対応は?
A 県内8社のケーブルテレビ局と共同で、BSデジタル放送受信用ヘッドエンドというセンター設備を持ち、この1月よりケーブルテレビを通して見る事が出来るようになりました。ただし、BSデジタル放送を見るためには、セットトップボックスというBSデジタル放送用のチューナーがないと見れません。現在、我社では、それを買い取りかリースで提供しています。
―今後、地上波、BS、CSすべてデジタル放送になることによって、チャンネル数が格段に増えますが、どのように対応をお考えですか?
A すべてのチャンネルをカバーすることは不可能です。現在のケーブルテレビの容量で可能な最大チャンネル数は60チャンネルなのですが、デジタル化すればその4倍から6倍のチャンネル数も可能となり、番組制作が追いついてこれるなら、数百チャンネルの多チャンネル提供も夢ではありません。
―視聴者にとっては多くのチャンネルの中から選択出来るようになる事は嬉しい限りですが、そんな中で、貴社の目指す方向は?
A ひとつは自社制作番組(7チャンネル)を充実させることです。地元に関わる重要な問題について15分程の特集を制作し、シリーズ化していくなど、市民に問題提起していけるような番組づくりです。例えば、関西本線電化複線化の問題や旧市街地の活性化、福祉についてなどです。その最初の試みとして、伊賀市構想についての番組をお正月に放送しました。そういうことをしていくことによって、より地域密着型のケーブルテレビ局として、存在価値を高めていこうと思っています
―プロバイダー事業を興そうと思ったきっかけは何ですか?
A 映像情報用のケーブル回線の方が、音声情報用の電話回線よりも、高速で多量の情報を流したいインターネットに向いていると思ったからです。
―現在の加入状況は?
A 平成11年10月のサービス開始以来、予想以上の増加率で増えています。昨年末現在で加入者軒数は2千軒を超えていますし、まだ加入の勢いは衰えていません。
―人気の要因は何だと思われますか?
A まず、すでにケーブルテレビに加入しているお客様なら、新たにケーブルを敷く手間も加入金も必要ないということ、使用時間によって料金が変わる電話回線インターネットと違い、時間を気にせず使える月極固定料金ということ、そして高速・大容量通信であることだと思います。
―最近、電話回線使用のプロバイダーが、軒並み料金を値下げしていますが?
A 応答性に優れている事、つなぎっ放しで御使用いただいても一ヶ月5千円という、比較的お安い定額料金である事等、性能と価格のバランスを考えていただければ、まだまだケーブルテレビインターネットの方が優位性を保っていると考えています。
―今後、同軸ケーブルより高速・大容量の光ファイバーが使用されるようになるが?
A 確かにNTTの光ファイバー網の整備は脅威です。しかし主要幹線は敷設されているとはいえ、それを各家庭に引き込むには多大な費用と時間がかかります。NTTは2005年までに完了させると言ってますが、それでは現在のインターネットの需要の急速な伸びにはとても追いつけません。そこで、NTTは光ファイバー事業と並行して、 今まで通りの電話回線でケーブルテレビ並みの高速通信を可能にするADSLというサービスを始めようとしています。狭いエリア内に限定してケーブルテレビ並み高速インターネットを可能にするシステムです。今年中に大都市圏、来年以降は中小都市で整備する予定と聞いています。伊賀で開始される時期は不明ですが、我々はそれまでにADSLを寄せ付けないだけの性能、料金体制を確立出来ると考えています。
―今後、インターネット事業をどのように展開し ていきたいですか?
A 地域振興の為のイントラネットができればと思っています。イントラネットとはある組織内、あるいは、ある地域内でのインターネットネットワークの事です。ケーブルネットワークを活用して、伊賀地方の教育・福祉・医療・行政などのイントラネットを整備できれば、伊賀中に効率良く速やかに情報を伝えることができます。例えば、役所とその出張所や公民館を繋げば、行政情報もタイムラグなしに伝えることができます。伊賀中の学校を繋ぐと、伊賀中で同じ授業を受けることも可能になるし、学校同士の情報交換も速やかにできます。医療や福祉についても、市民により良いサービスができるようになると思います。そのような、地域振興に役立つ事業展開をしていきたいと考えています。
―最後に、デジタル化がもたらす情報通信分野の変化は?
A 同じデジタル情報信号が、テレビ、パソコン、電話、通信、自動車、家電機器の間を繋ぐ事が出来るようになり、例えば車を運転しながら自宅の家電機器を操作したり、テレビをパソコンとして使ったりテレビを端末としてインターネット電話したり、一層高度で便利な情報化社会に発展して行くことでしょう。

木津龍平さん 岐阜県大垣市出身 大垣 北高―東京大学―トヨタ自動車梶\平 成7年上野ガス鞄社―平成11年6月 伊賀上野ケーブルテレビ且ミ長就任