| 社長インタビュー |
御菓子司叶ッ安の社長、星安孝悦さん
「向上心は失敗を成功に導くエネルギーである!」
Q 創業はいつ頃ですか?
― 昭和初期に、祖父が創業しました。しかし、当時は和菓子屋でした。
Q 洋菓子に変えたのは何故ですか?
― 変えたわけではありません。今でも和菓子はつくっていますしアイテムは増えています。ただ、洋菓子の方が売上げも多く、前面に出ているだけなのです。
Q 洋菓子を始めたのはいつ頃ですか?
― 私が東京の専門学校から帰ってきた昭和46年頃からです。当時、日本には洋菓子店が増えてきていて、都市部では今では当たり前ですが、「喫茶と洋菓子」という形態のお店が出てきていました。しかし、名張にはまだ洋菓子店がなかったので、自分が最初にしようと思ったのです。そして、洋菓子が伸びていた時代背景も手伝って、洋菓子がメインとなっていったのです。
Q 洋菓子づくりへのこだわりは?
― 専門店である以上、いい材料を使うのは当たり前です。それよりも、常に新しいものを創作すること、挑戦することに生きがいを感じています。もちろん、失敗も多いのですが、人の真似をしない、というポリシーを持ってやっています。その中からやっとの思いで商品化にたどり着いても、売れると思っていたものが売れなかったり、売れないと思っていたものが売れたり、思うようにはいきません。そこが面白く、生きがいを感じるところでもあるのですが。たとえば、「酒ケーキ」という商品は、伊賀の吟醸酒を使ったこだわりの自信作なのですが、日本酒とケーキが合うのか?というイメージのせいか、なかなか売れません。
Q 最近、本店を移転されましたが?
― 客層の若返りを図るためです。お店を駅前に移し、店前もガーデニング風にしました。今までのお客様プラス、若い新しいお客様をつかめればと思ったのです。本店の客層が変れば、テナントの客層も変ります。
今のところ、その成果はあがっています。
Q 販売戦略は?
― 数年前から「安くて、おいしくて、便利」をモットーに、送料も消費税も込みで五百円から千円の商品ばかりを頒布販売をしています。これは、昔の酒屋や米屋のような配達をケーキ屋でもできないか?という発想から思いついたのですが、伊賀地方はもちろん、津方面や甲賀方面までの約五千軒の事業所に月に一回パンフレットを配っています。それもDMやポスティングではなく一声かけながら手渡しで配るのです。そうすることによって、パンフレットを見てもらえる確率が増えるのです。パンフレットを受け取ってもらうのに1年間かかった事業所もあったのですが、今ではお得意様です。現在月平均三千軒の事業所から注文があります。電話、FAXで注文を受け、各方面に月に二日間配達の日を決めて配達しています。
Q 今後の展望は?
― 今までもそうなのですが、常に新しいことを考えていき、決して現状に満足せず、根気と辛抱を持ってやっていこうと思っています。頭を常に活性化させ、若い人の好み、流行には敏感でないといけません。特に、味の好みとファッションには、注意を払っています。味は新商品であろうとなかろうと、お菓子をつくる上で重要ですし、ファッションは、主に色に注意を払うのですが、お菓子のラッピングや店づくり、お菓子やケーキ自体の色合いを考えるのに役立ちます。常にアンテナを張り巡らせて、つまらないことにも興味をもち、何でも菓子につなげていく。これが今も昔もこれからも、私のモットーです。
| 星安孝悦さん(49)名張市松崎町出身 上野高―日本菓子専門学校―叶ッ安 |