| 社長インタビュー |
釜a田商店の社長、和田暹さん
「先を見極める事ができる眼を持ち続けたい!」
Q.酒販免許の規制緩和の影響は?
A.DS(ディスカウントストア)の出現やスーパー、コンビニでも酒類を販売できるようになり、販売窓口が増えたということで必然的に小売店一店舗当りの売上は落ちました。さらに価格競争も始まったので、一般小売店のダメージは深刻です。それだけなら問屋としてはなんら影響はないのですが、スーパーやコンビニなどのチェーン店は、商品を本部が一括で決まった取引業者から仕入れるので、伊賀地方にあるお店であっても、我々は納品できません。ですから、小売店一店舗当りの売上減は、そのまま我々問屋の売上の減少にもつながりました。
Q.近い将来、距離基準だけでなく人口基準もなくなり、自由化されますが、考えられる影響は?
A.伊賀地方では、上野市以外の名張市、名賀郡、阿山郡ではもう影響はないでしょう。毎年免許数は増えていますが、実際にはする人がいなくて免許が余っています。上野市に限れば、コンビニが免許を取得するでしょうから、一般酒販店に少なからず影響は出るでしょう。
Q.価格競争が酒類業界に及ぼした影響は?
A.価格競争はビールメーカーのシェア争いのために起こりました。そもそも、ビールは定価の40%を酒税が占めます。酒税が安くなることはないので、そのビールを安く売るということは価格に占める酒税の割合が増え、商品価格の割合が減るということです。商品価格が下がってもメーカー、小売店は儲けなければなりません。そこでしわ寄せを食ったのが問屋でした。問屋のマージンはなくなり、問屋はメーカーから入った商品を横流ししているだけの配送係になってしまいました。その結果、倒産や合併・吸収される問屋が増えました。
Q.酒税の増税(発泡酒のビール並課税・清酒のリキュール並課税)が取りざたされているが?
A.酒税の増税には大反対です。ビールメーカーの企業努力を踏みにじっています。もし増税されれば、価格は値上げされるでしょうから、売上は落ちると思います。それでも税収は増えるという計算でしょう。しかし、その前に酒税に消費税がかかっている、税金に税金がかかっているという理不尽な税体系を考え直すべきだし、取りやすい所から取るという考えを改め、数兆円と言われる消費税の滞納分を如何に徴収するかを考えるべきだと思います。
Q.今後の方針は?
A.今までのように、仕入れた商品を配達するだけの運送屋では生き残れません。ですから、まず問屋であっても商品知識を付け、お客様に説明できるようになること。新商品や話題商品の情報に敏感でいて、さらにそれらを薦められるようになっていくこと。お客様の要望に応えるためには多少のリスクを背負っても商品の品揃えをすること。高くても、お客様に納得して買っていただける、付加価値のある商品を売っていくことなどを目指し、すでに取り組んでいます。今どんな商品が欲しいのか、どんな商品に興味があるのかという情報を集め、それらを踏まえて、次の対策、対応を考えていけば、厳しい世の中ではありますが、自ずと道は開けてくると思います。
| 和田暹さん(69)上野市上之庄出身 上野高―三重大―昭和35年釜a田商店入社―平成8年社長就任 |