社長インタビュー       

焼肉レストラン金剛の社長、金栄守(キムヨンス)さん

『自然の恵み、伊賀の食材に自信あり』

Q.狂牛病の影響は?
A.売上は半減し、数年前のO157の時より数倍ダメージを受けました。最近徐々に回復しつつありますが、狂牛病問題が噴出する前の状態に戻るには、もうしばらくかかるでしょう。
Q.対策はしましたか?
A.特別な対策はしていません。今までどおり「よいものをよいサービスで提供していく」というポリシーを貫いています。それは、狂牛病問題によって安売りに走ったところもたくさんありましたが、長期的なスパンで考えると、ここで浮き足立つことなくじっと我慢した方が、将来必ずいい方向に向くだろうと思ったからです。なぜなら、今は確かに牛肉の消費が減退していますが、牛肉を食べる習慣がなくなることはないだろうから、いずれ元に戻ると思っているし、そして何より、お客様に提供している商品、サービスに自信を持っているからです。
Q.昨年、ニ国籍料理NANTAを開店しましたが?A.以前から、飲食関係で地元にないものを創りたいと思っていました。そしていろいろなものを食べ歩いた結果、元々専門であるアジア(韓国)料理とイタリア料理を融合したものを創ろうと思ったのです。
Q.店名の『NANTA』の由来は?
A.韓国で大ヒットし、ブロードウェイでも上演されたミュージカルの題名です。日本語で「乱打」という意味です。二国籍料理のお店をすることを決めてから、設計士、空間プロデューサー、私の三人で韓国に行き、このミュージカルを見て感動しました。そして、その時に新しいお店を舞台に例え、設計士の方が舞台をつくり、プロデューサーの方が演出し、私たちがそこで演じるという図式を設定し、「自分達の舞台を成功させよう」と三者の意思が統一されたのです。その記念に店名を『NANTA』に決めたのです。
Q.開店に当たってのご苦労は?
A.苦労というか、人と人とのつながり、出会いの大切さを痛感しました。プロデューサーの方との出会いがなければ、『NANTA』の開店はなかったでしょう。
Q.最大のこだわりは?
A.開店に当たり、腕のいいイタリアンのシェフを大阪、神戸で探してきました。食材も野菜は無農薬有機栽培、牛肉は伊賀肉、鶏肉は伊勢赤鶏、魚はシェフが直接市場から仕入れています。そして、店づくりにもこだわっていきたいです。店づくりには、建物や内装のデザインだけでなく、そこにいる人間の息使いや気遣いも重要だと思っています。商品だけでなく、接客やサービスもよくなければよいお店にはならないのです。今思えば、バブルの頃はおごりもあり、接客が雑になっていたところもありました。それを思い出させてくれたのは、皮肉にも狂牛病です。お客さんが減り、お店が暇になった時、サービス業について考えました。サービス業の原点である「居心地のよい空間」の創造を目指しています。
Q.今後の展望は?
A.伊賀に生まれ育って、地元に密着したものをやりたいと思ってやってきました。伊賀の自然の恵みに育まれた伊賀の食材は自信を持って出せますし、何より伊賀が好きですから。しかし、地元に密着しながらも、将来、条件が整えば伊賀外にも飲食業を展開していきたいと思っています。そういう向上心がなければ、この競争社会では生き残っていけないと思っています。

金栄守(キムヨンス)さん 上野市桑町出身。