社長インタビュー       

時刻屋 一光の岩島攻一さん

『「上野まち」復活を切に願う!』

Q.この度、りっぱな門構えの純和風建築に改築され、銀座通りでもひと際目立っていますが、純和風建築にこだわったきっかけは?
A.当初は平成10年に建て替える予定でした。その時は、めがね、時計、宝石と洋品を扱っているので、ギリシャ神殿風の建物にしようと思っていました。ところが、その頃に銀座通りの西側を拡張し「西側のお店は和風建築に」という話が市側から出て、東側のお店もお付き合い出来るところはしてください、という話が出来たのです。そこで、弊店の商売柄とは合わないと思ったのですが、上野のまちのためと思い、和風の建物にデザインを変更したのです。その後、しばらく様子を見ていたのですが、百五銀行が石造り風の和風建物になったものの、他の店で裏切るところが出てきました。ですから、弊店も一時は元のギリシャ神殿風にと思ったのですが、逆に世間の注目が高くなるのでは、と思い、和風にこだわりました。そして、店が完成した夜から三日間くらいは、市民の方々から」「うれしい」等、激励のお電話が多数あり、和風を貫いてよかったと思いました。
Q.お客様自身がメガネをつくることのできる「手づくりめがね工房」を始められているそうですが、きっかけは?
A.銀座通り商店会の有志で、まちづくりの参考にと彦根、長浜、掛川などに見学に行ったことがあるのですが、長浜の空き家を利用したガラス工房を見学した時、お客さんがガラス細工をしていたのです。素人にさせていることにも驚きましたが、こういうことをしたいと思う人がいることにも驚き、それならメガネも作りたいと思う人がいるのではないだろうかと思い、店を建て替え、場所が出来たらやってみようと思ったのです。
Q.近年のデフレ傾向による影響はありますか?
A.確かに機械化や中国製のメガネの登場によって、メガネの価格は暴落していますが、洋服屋にも既成の洋服を売る洋服屋もあれば、オーダーの洋服を売っている洋服屋があるように、価格競争は既成のメガネを売っているメガネ屋同士の競争であって、弊店のようにオーダー専門のメガネ屋にとっては対岸の火事のようなものです。
Q.影響はないと?
A.影響はあるでしょう。しかし、気にしていません。車にこだわる人が高い車を買ったり、チューニングをするように、目を大切に思う人やメガネにこだわる人はオーダーのメガネを作ります。それに、実際売れてないわけではないので。
Q.オーダーのメガネを作るのに資格はいりますか?
A.眼鏡師免許というのが必要です。国家試験ではないですが、眼科医学の知識がないと取れない免許です。現在、上野でこの免許を持っている眼鏡屋は私だけです。
Q.上野の「まちづくり」について思うことは?
A.先日、ラジオを聞いていたらこんな話が流れてきました。名古屋の人の話だったのですが、伊賀上野に遊びに行ったが非常にいい町で好感を持ったと。理由はなにかと言えば、「まち」の中にスーパーがなかったと。私もスーパーやホームセンターは郊外にあるべきだと考えている人間ですので、その話に共感しました。確かに量販店は安いし便利ですが、量販店と専門店の商品は違うという考えを持っていますし、違わないといけないと思っています。量販店は郊外に、専門店は町中に。そして、「まち」は和風の重みのある、歴史を感じさせる、思わず歩きたくなる「まち」、他所の人に「いっぺん上野に来てみぃさ」と自慢できる「まち」であって欲しいです。そのためにも和風建物にし損ねたお店は、これからでもして欲しいと思っています。

岩島攻一(57)さん  上野市相生町出身