| 社長インタビュー |
伊賀酒造組合理事長の重藤久紘さん
『日本酒、再発見!』
Q.日本酒の需要低迷が叫ばれてひさしいですが?
A.そうですね。昭和50年をピークとして、年々需要は縮小しています。平成13年現在の課税移出数量は、約3分の1になっています。
Q.原因はなんだと思われますか?
A.洋風化してきた生活様式の変化や酒類の多様化が主な原因でしょう。その他、日本酒の飲み方、楽しみ方を知らない人が多いからだと思います。日本酒は熱燗でおやじが飲んで絡むものだ、というふうな悪いイメージが、特に若者の日本酒離れを促したのではないでしょうか。それはメーカーの責任でもありますが。
Q.日本酒の種類も多様でわかりにくいのではないでしょうか?
A.確かに級別が廃止になってから日本酒の種類が増えました。大吟醸、純米大吟醸、吟醸、純米吟醸、純米、本醸造を特定名称酒とし、以前からの酒を通称で普通酒と呼び、そこに原酒、生酒、生貯蔵酒など、様々な名称も出てきますから、一般の消費者の方には非常にわかりにくいと思います。しかし、それら高級酒は、以前の日本酒の悪いイメージを払拭するには十分すぎる程のお酒ですから、イメージだけで日本酒を嫌っている人には一度飲んで欲しいですね。それまでの日本酒のイメージが変わるはずですから。お酒の種類の表示については、現在日本酒造組合中央会でも一般消費者にもわかりやすい表示方法にしていこうという案が出ています。
Q.伊賀酒の現状は?
A.総出荷数量自体は当然減っています。しかし、特定名称酒の比重が増えてきており、レベルは上がってきています。全国新酒鑑評会でも、毎年伊賀の蔵元が数蔵金賞を受賞していますし、東京や大阪、その他の地域に出荷している蔵元も増えてきています。地元に関して言えば、もともと地酒率の高い地域ではありましたが、昨今の大手の安酒の出現により、普段飲むのは大手の酒を、お使い物には地酒を、という人が増え、地酒率も下降ぎみです。地酒率とは、その地域で流通している日本酒の、大手の酒と地元の酒の割合なのですが、三重県内の地酒率が30%の頃、伊賀は60%でした。それは、毎日の晩酌は二級の地酒、使い物は一級の大手の酒というふうに住み分けができたからです。しかし、そうでなくなった今でも、県内の他地域より伊賀の地酒率が高いのは、伊賀地方は良い米、良い水、寒冷な気候という酒造りに適した条件が揃っており、さらには丁寧な酒造り、そして、それをわかってくれている消費者の片々がいるからです。
Q.伊賀酒のPR活動は?
A.八年前から毎年10月に「伊賀酒を楽しむ会」というのを催しています。そして新たに、秋から始まった酒造組合中央会の若い女性向けのPR戦略である、「OSAKEテラピー」にのっとって、伊賀でも女性向けのお酒の会は出来ないものかと模索中です。
Q.今後の展望は?
A.量を飲む時代から美味しいものを楽しく飲む時代に変わってきています。ですから、酒造りにこだわり、良いものを造っていくことはもちろんですが、皆さんに日本酒の良さをわかってもらえるようPRしていくことも同様に大切だと思います。
Q.最後に、消費者の方に一言。
A.昔と違い、米自体も精白も良くなってきているので、冷やで飲んでも美味しいお酒がたくさんありますし、もちろん燗にしても美味しいお酒もあります。いろいろな飲み方を試して、お酒を楽しんで欲しいですね。
| 重藤久紘(59)さん 名賀郡青山町出身 |